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e- 文書法/電子帳簿保存法コラム

e-文書法/電子帳簿保存法徹底ガイド:
基礎知識から導入まで全て分かります

公開日:2017年6月23日

第2回:スキャナ保存要件の緩和とは

前回の振り返り

前回は、国税に関する2つの法律、電子帳簿保存法とe-文書法のポイントについてご説明しました。簡単に振り返ってみましょう。

電子帳簿保存法では当初、取引先と紙で授受する国税関係書類のスキャナ保存は対象外でした。

つまり、

自己が最初の記録段階から一貫してシステムで生成した国税関係帳簿書類

これを対象として電子保存が容認されていました。

その後、民間企業等の強い要望もあり成立した「e-文書法」により、ようやく取引先から紙で受領した書類も電子保存対象となったのです。

ところが、せっかく「e-文書法」が施行され、紙の電子保存が認められたにもかかわらず、まだこの時点では利用が伸び悩んでいました。

それが、e-文書法(電子帳簿保存法 スキャナ保存要件)の改正より、2015年以降、スキャナ保存の電子申請が急増しています。一体、どのような改正がなされたのでしょうか。

今回は、以下の順にお話していきます。

  • 規制緩和の背景
  • 2015年度の規制緩和
  • 2016年度の規制緩和

規制緩和の背景

規制緩和の説明の前に、規制緩和の背景を説明したいと思います。
そもそも、何が、何の目的で規制されていて、何を緩和したのでしょう?
規制を緩和したことで、困ることはないのでしょうか?

――紙の原本と同等の真正性
~ 電子化の要件とは ~

国税関係帳簿書類では、真正性の担保が非常に重要な条件であり、紙の原本と同等であることが求められています。

電磁的記録(デジタルデータ・テープ等のアナログデータ)は、その特性から、コピーや情報の変更(改ざん)が容易です。また、ファイル日付の変更も容易に行えます。
これでは、どれが正しい情報なのか分からなくなってしまいますね。

そこで、電子帳簿保存法では、帳簿の電子データを紙の原本と同等と見なす為に必要な条件が定義されています。

スキャナ保存要件の特色として、電子媒体での保存には金額制限があり、電子署名の付与が義務付けられていました。

  • 金額制限
    ~3万円以上の契約書と領収書はスキャナ保存対象外
  • 電子署名
    ~誰が作った文書なのかを保証する為の署名
  • タイムスタンプ
    ~いつ作られた文書なのかを保証する為の認定タイムスタンプ

2015年度の改正内容
(1回目の規制緩和)

2015年度の改正では、「誰が」「いつ」「いくらの」契約書・領収書を電子化したのか?の「誰が」の保証手段であった「電子署名が不要」になり、「いつ」の契約書であったかを「認定タイムスタンプで保証」する、ということになりました。

こうして、金額制限が撤廃され、電子署名を付与する必要がなくなりました。

電子署名については必須ではなくなりましたが、あった方がより信頼性が高いことには変わりはありません。

では、それぞれの内容について、解説していきましょう。

――「金額制限の撤廃」
(スキャナ保存可能な書類の範囲拡大)

  • 改正前:契約書・領収書は3万円以上の取引はスキャナ保存対象外
  • 改正後:金額制限なし

消費者向けの小口の取引はスキャナ保存できますが、大口の取引はほとんど緩和されていない、という状況でした。確かに小口の取引の方が数は多いでしょうが、金額によって保存形態が変わるとなると、2種類の運用フローが必要となり、業務が煩雑になってしまいますね。もちろん、できるだけシンプルなルールの方が、利用者にとっては使いやすいのですが、その為の安全な運用フローを考えるのは容易なことではありません。

しかし、金額規制が撤廃されれば、運用ルール・フローの策定はぐっと容易になり、実現可能となっていきます。

――電子署名の付与が不要に

ここで、文書の真正性を保証する為の2つの機能である「電子署名」と「タイムスタンプ」についてみていきましょう。

電子署名とは、電磁的記録に付与する署名で、以下を保証します。

①文書の電子化を行った本人(または責任者)を保証すること

つまり、「誰が」にあたる部分ですね。

タイムスタンプは以下を保証します。

  • ①その文書がタイムスタンプ付与時より変更されていないこと(=改ざんされていないこと)
  • ②タイムスタンプ付与時に、そのデータが存在していたこと

こちらは、「いつ」にあたる部分です。

誰が、の部分は電子化を実施する本人や監督者に関する情報を「確認できればいい」と言う風に要件緩和されていますので、スキャンデータの検索データの一つに入れておく方法もありますが、スキャン作業者(監督者)台帳のようなものを別途作っておくだけでも事足ります。

2016年度の改正内容
(2回目の規制緩和)

2016年度の規制緩和のポイントは「スマートフォン(スマホ)」です。
多くの社員がスマホを利用している今、旅費・経費精算はスマホで申請するのが一番自然で効率的である、といった意見を受けて、改定されました。

この改正により、デジタルカメラ、スマホで撮影した領収書も、電子保存がOKとなりました。

今、本コラムをスマホでご覧いただいている方も多いですよね?
手に持っている「それ」でカシャっと撮影し、旅費・経費申請ができるように規制緩和されたわけです。
とても便利ですね。

※正確には、「原稿台と一体型のスキャナに限る」という要件が廃止された為、スマホやデジタルカメラで電子化できるようになりました。

さらに、スマホ・デジカメを最大限活用するテクニックとしては、2016年改正で新設された「受領者読取」を選択すると、原本と電子化したデータの比較確認を受領者以外の人が実施しなくて良くなるので、原本の本社等への送付が不要になるケースが増え、ますます便利です。
ただ、この「受領者読取」を選択した場合は下記2点の追加要件があるので注意が必要です。

  • 原本に自筆による署名を行う
  • 領収書や請求書等の受領から3日以内にタイムスタンプを付与する

次回は「タイムスタンプ」についてクローズアップしてご説明します。
またぜひ、コラムに遊びに来てください。

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