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公開日:2017年10月6日
改訂日:2019年11月6日

第6回:スキャナ保存申請の入力方式「業務サイクル後速やかに入力」について研究しよう!

電子帳簿保存法「スキャナ保存」申請をおこなうにあたり、どの入力方式を選べばいいのか頭を悩ませているご担当者様も多いと思います。今回は「入力方式」について考察していきたいと思います。

1.スキャナ保存申請書を見てみると・・・

電子帳簿保存法の申請書は国税庁のホームページからダウンロードできます。スキャナ保存の申請書をみてみると、承認を受けようとする書類毎の入力方式について「□ 業務」「□ 速やか」「□ 適時」の3つのチェックボックスがあり、選択をする形になっています。今回はこのなかで「□ 業務」を中心に見ていきたいと思います。

2.入力方式とは

申請書には「入力方式」とありますが、簡単に言うと、書類を受領してからいつまでに電子化するのか、つまり、入力期限のことです。短い順に並べると1.速やか、2.業務、3.適時、となります。期限の順番通りに、法令等の参照箇所とともに表にしてみます。

  申請書表記 通称 電帳法施行規則
のポイント
関連情報

申請書表記

□速やか

通称

速やかに入力

電帳法施行規則
のポイント

該当条文:第3条第5項第1号イ
当該国税関係書類に係る記録事項の入力をその作成又は受領後、速やかに行うこと。

関連情報

電子帳簿保存法取扱通達4-20
(速やかに行うことの意義)
【該当箇所】
国税関係書類の作成又は受領後おおむね7営業日のうちに入力している場合には、速やかに行っているものとして取り扱う。

申請書表記

□業務

通称

業務サイクル後速やかに入力

電帳法施行規則
のポイント

該当条文:第3条第5項第1号ロ
当該国税関係書類に係る記録事項の入力をその業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに行うこと
【条件として・・・・】
当該国税関係書類の作成又は受領から当該入力までの各事務の処理に関する規程を定めている場合に限る。

関連情報

電子帳簿保存法取扱通達4-21
(業務の処理に係る通常の期間の意義)
【該当箇所】
月次処理については通常行われている業務処理サイクルと認められることから、最長2ヶ月の業務処理サイクルであれば、「その業務の処理に係る通常の期間」として取り扱うこととする。

申請書表記

□適時

通称

適時入力

電帳法施行規則
のポイント

該当条文:第3条第6項
【要約】
国税関係書類のうち国税庁長官が定める書類は入力期限の制限無し。

関連情報

電子帳簿保存法Q&A問59回答
【要約】
平成17年国税庁告示第4号により告示により、例えば、次のような書類が入力期間の制限なく適時に入力することができます。
イ 保険契約申込書、電話加入契約申込書、クレジットカード発行申込書のように別途定型的な約款があらかじめ定められている契約申込書
ロ 口座振替依頼書
ハ 棚卸資産を購入した者が作成する検収書、商品受取書
ニ 注文書、見積書及びそれらの写し
ホ 自己が作成した納品書の写し

ご覧の通り「②業務サイクル後速やかに入力」、は「①速やかに入力」を基準に定義がなされていることがわかります。「速やか」とは電子帳簿保存法取扱通達では「おおむね7営業日」となっています。「②業務サイクル後速やかに入力」は、そのまま読むと「業務サイクル後」1週間の猶予がある、ということになります。

では「業務サイクル後」とはなにか?これは電子帳簿保存法施行規則で「業務の処理に係る通常の期間を経過した後」と説明されており、さらに電子帳簿保存法取扱通達に、「最長2カ月」と、補足説明されています。

まとめると、「業務サイクル後速やかに入力」とは最長2カ月+おおむね7営業日のうちに入力する方式、ということになります。

電子帳簿保存法は法律→施行規則→取扱通達→Q&Aというように国のWebサイト上で4段階にブレイクダウンして掲載・説明されています。
今後、電子帳簿保存法を読み解く際に、参考にして頂ければと思います。

そして、最後の「適時入力」ですが、これは入力期限の制限が無く楽に見えますが、対象書類も限られている、と言うことになります。対象書類については「国税庁長官が定める書類」という形で例示がなされており、電子帳簿保存法Q&A(スキャナ保存関係)の問59にも詳しい説明があります。種類は少ないのですが、この範囲は過去分に遡ってどんどん電子化・原本破棄ができますので、昔から長期保存している書類があれば、その中で該当する書類がないか是非確認をおすすめいたします。

3.業務サイクル後速やかに入力について

適時入力の対象書類が限られているとすると、ほとんどの国税関係書類は「①速やかに入力」か、「②業務サイクル後速やかに入力」を選択することになりますが、この選択肢の中で、わざわざ「①速やかに入力」を選択するケースは少ないでしょう。

電子帳簿保存法スキャナ保存申請は、現在、「②業務サイクル後速やかに入力」をベースに検討を進められる企業様が多い状況と思います。

4.「スキャナで読み取る」とは?

いままで、電子帳簿保存法スキャナ保存の入力期限について話を進めてまいりましたが、この「入力」までには必ず「スキャナで読み取る」と言う工程が発生します。

タイムスタンプも「スキャナで読み取る際に付すこと(施行規則第3条第5項第2号ロ)」となっていますので、電子帳簿保存法スキャナ保存申請を進めるに当たっては、この「読み取る」と言う用語の理解がとても重要になってきます。

文字だけを読むと、単なる「スキャナ操作」と思ってしまいがちなのですが、電子帳簿保存法スキャナ保存申請において「読み取る」とは、「当該国税関係書類の書面に記載された事項と当該国税関係書類に係る電磁的記録の記録事項とを比較し、同等であることの確認をする行為」と言う意味になるので注意が必要です。

簡単に言うと、「スキャンした画像と原紙の比較確認」ですね。相互けん制の取り方においても重要な意味合いを持ちますので、良く理解しておくことが必要です。

5.「受領者による読取」とは?

スキャナ保存申請書に入力方式を記入する際、すぐ左に「受領者による読取」と言うチェックボックスがあります。こちらも、どのようなときにチェックをいれるのか疑問に思われる方が多いのではないでしょうか。

考え方はとてもシンプルです。このチェックボックスは「入力方式」を選んだ後、さらにその運用の中で「受領者による読取」はありますか?と聞かれていると思ってください。

「読み取り」とは前項でご説明したとおり、画像と原紙の比較確認工程です。「受領者による読取」にチェックを入れるということは、受領者がこの比較確認工程を担い、別の人は実施しないこともある、と言う宣言になります。

これは、立替払いの経費精算の局面などで効率化が図られますので、とても有難いチェックボックスだと思っています。なぜなら、経費使用者(領収書等の受領者)は別の人に原紙を回送しなくて良くなるからです。但しこの場合は、タイムスタンプが3日以内※で、自署による署名が必要、と覚えておけば整理もしやすいのではないかと思います。

平成28年6月30日付課総10-15ほか7課共同「『電子帳簿保存法取扱通達の制定について』の一部改正について」(法令解釈通達)等の趣旨説明について」4-23(特に速やかに行うことの意義)

6.28年度改正時のちょっとした混乱

ここまで読んでくださった皆さまはお分かり頂けると思うのですが、平成28年度改正でスマートフォンの使用が容認された際、受領者が「スキャナ操作」を実施する場合はすべて、3日以内のタイムスタンプと自署による署名が必要なのか?と言う疑問が発生しました。

実はそうではなかったんですね。この部分、平成29年7月にあらためて国税庁のweb※でも丁寧な説明が掲載されましたので、是非こちらも参考にされてください。

平成29年6月21日付課総10-6ほか7課共同「『電子帳簿保存法取扱通達の制定について』の一部改正について」(法令解釈通達)等の趣旨説明について
「国税関係書類の受領をする者がスキャナで読み取る場合のタイムスタンプの意義」

7.業務サイクル後速やかに入力 ポイント整理

今のところ、電子帳簿保存法スキャナ保存申請の入力方式は、「業務サイクル後速やかに入力」を選択、「受領者による読取」は無し、のパターンが多いと思います。このケースのポイントを最後にまとめます。

書類受領後、2カ月とおおむね7営業日以内に、受領者以外による画像と原紙の比較確認やタイムスタンプ等を含んだ「入力」を終わらせる

その他、適正事務処理要件等、抑えなければならないポイントも多いのですが、まずこれが基本となりますので、是非、今後の検討の参考になさってください。

次回は『電子帳簿保存法と電子取引データ保存。来たるべき電子取引社会に向けた備えとは』を掲載をいたします。

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