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e- 文書法/電子帳簿保存法コラム

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公開日:2017年9月4日

第5回:スキャンしなくても電子保存できる書類ってあるの?
~法第4条2項の書類について~

2015年、2016年の電子帳簿保存法スキャナ保存要件の緩和により、国税関係書類の電子化の検討を始められる企業様が増えています。「スキャナ保存要件」の緩和がきっかけですから、どこでスキャンしようか?スキャンの業務フローはどうしよう?などなど、スキャンまわりについて議論が活発になされている状況と思います。

そんな中ですが今回はちょっと視点を変え、電子帳簿保存法の中でも「自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する書類」と呼ばれる書類の電子化について取り上げてみたいと思います。

1.電子帳簿保存法の分解

電子帳簿保存法の電子保存に関する取り決めは、大きく4つのカテゴリに分かれます。それは、【1】帳簿、【2】書類、【3】スキャナ、【4】電子取引の4つとなります。【1】、【2】、【3】は申請書も別々で、それぞれ電子保存の要件が異なります。「【4】電子取引」は電子帳簿保存法それ自体で電子保存が義務化されているものですので、申請書がありません。(「【4】電子取引」に関しては後の回であらためて触れさせて頂きます。)

現在、要件緩和で企業の取り組みが加速しているのは、まさに「【3】スキャナ」の範囲なのですが、意外と見直されているのが上記整理で言うところの「【2】書類」です。電子帳簿保存法では、法第4条2項に記載がありますので、「法第4条2項書類」などと呼ばれることもあります。

図1

関連条文 申請書の
右上マーク
概要
電子帳簿保存法
第4条1項
帳簿 自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成した帳簿のデータ保存
電子帳簿保存法
第4条2項
書類 自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成した書類のデータ保存
電子帳簿保存法
第4条3項
スキャナ 紙書類をスキャナを使って電子保存

2.1998年から電子保存が容認されている書類?

第1回でもお話させて頂きました通り、電子帳簿保存法は1998年施行当初、「自己が最初の記録段階から一貫して電子計算機を使用して作成する帳簿及び書類」のみについて、電子保存を認めるものでした。今回は、この施行当時から容認されている「書類」の電子保存についてのお話になります。

今回の対象書類について条文だけ読んでいても、わかりづらいと思いますので、取引に係る書類を例にかみくだいて表現してみます。

「自社が取引先に発行する請求書や納品書の控えで、手書きによる追記が無いもの」

と言ったところでしょうか。

こちら、国税関係書類にあたりますからもちろん、原則「紙保存」となります。

今回の法改正をきっかけに、これらをスキャナ保存しようと、検討を進められている企業様もあるのですが、実はこれ、元のデータを要件に従って保存し、電子帳簿保存法の承認を受ければ、紙保存する必要も、スキャナ保存する必要も無くなるのです。

図2

3.元のデータはどこにある?

自社が発行する書類ですから、もちろん元のデータは自社にあります。対象が請求書や納品書であれば、それらを出力する「自社の販売管理システム」に存在するデータと言うことになります。これを、電子帳簿保存法(本コラムで言う「【2】書類」)の要件を満たして、法定期間、保存しておけば良いのです。もともと自社が作るデータ、つまり「取引先に発行する書類を印刷するために使った元データ」を保存すると言うことですから、ここに「スキャナ」はでてこないのです。

図3

ただ、見落としてはいけないのは発行時の「手書きによる追記」です。
もしこれがあるとすると、「自己が最初の記録段階から・・・」の要件に抵触するので、「【2】書類」の申請は行えません。この場合に初めて「【3】スキャナ」の申請となるのです。

4.「控え」の保存目的

今回は発行書類の「控え」の電子保存に触れていますが、企業にとって発行書類の控えの保存は税務調査の観点ばかりでなく、取引先様へのサービス向上の観点でも重要だと思っています。具体的には、問い合わせ対応品質の向上ですね。

「先月の請求書の内容について教えてほしいのだけど・・・」

取引先からこんな電話がかかってきた時、電話を切らずに“パッ”と該当書類を画面上に表示させ、迅速に問題解決できたら、顧客満足度もさらに向上することでしょう。過去に遡った履歴の照会もありますから、なるべく昔の分から整然とした状態で時系列に内容確認できる方がベターです。

電子帳簿保存法のみなし承認を得て電子保存にしたとしても、7年※の保存期間は変わりません。なにかの係争を想定するならば、重要な発行書類の控えは7年とは言わず、なるべく長く保存し、いつでも"パッ"と照会できるようにしておきたいものです。
※欠損金の繰越控除を利用している法人は最長9年(2018年4月以降は最長10年)

今回は、電子帳簿保存法の対象の中でも、スキャンの要らない「書類」について触れさせて頂きました。スキャンが要らないと言うことは、保存要件はそもそも、今回緩和されたスキャナ保存要件よりも範囲が少ない、ということになります。タイムスタンプも不要です。

ペーパーレスに向けては取り組みやすいカテゴリの一つなのですが、スキャナ保存のご相談を受ける中で、膨大な数の発行控え書類(紙)の保存と照会業務に手間が掛かると仰るお客様が多くいらっしゃいます。そのような課題をお持ちの企業様はぜひ、スキャナ保存と一緒に、電子帳簿保存法「【2】書類」の申請も検討されてはいかがでしょうか。

次回は『スキャナ保存申請の入力方法「業務サイクル後速やかに入力」について研究しよう!』を予定しています。

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