証憑データ保管システムに求めたいちばんの要件は実績

― 今回、「証憑データ保管システム」を選定するにあたり、トマト銀行が求めた要件を教えてください。

「証憑データ保管システム」を選定するにあたっては、次の4点を要件として求めました。

要件1. 「十分な導入実績があること」

当社が経費精算の証憑データの電子帳簿保存法の適用検討を始めた当時に、管轄の国税局に相談に行きましたが、その際にこの地区では初めての申請になることが判明しました。これは申請する当社が初めてだというだけでなく、審査する側も初めてということになりますので、お互いに手探りでの申請であり、審査である、ということです。ということは、例えば審査においては「証憑データ保管システムが十分な安定性、信頼性を有しているかどうか」が重要な審査項目となりますが、スクラッチ開発のシステムで申請すると、申請したシステムがその要件を満たしているのかどうかということに対して、当社がしっかりと説明を行う義務を負います。しかしこれは当社にとっては非常に負荷が高い作業です。一方で採用実績が豊富なパッケージシステムで申請を行えば、そこの部分は実績が後押ししてくれますので、確実かつ迅速に承認が得られると期待できます。新たに導入する証憑データ保管システムには十分な導入実績があることを求めました。

要件2. 「経費システムの操作手順を複雑化させないこと」

証憑データ原本保管システムは、経費システムのサブシステムとして導入します。この場合、システムの利用者となる営業店の事務スタッフにとっては、サブシステムは黒子として影に隠れており、日常の操作の場面で意識する必要がないことが望ましいといえます。新たに導入する証憑データ原本保管システムには、「経費システムとシームレスに結合すること」「利用者に存在を意識させないこと」を求めました。

要件3. 「仮想サーバ上での運用が可能なこと」

新システムは、可能なかぎり運用・維持コストを低く抑えて導入、運用したいと考えました。そのため、専用ハードウエアを設けることなく、仮想サーバ上で構築・運用が可能であることを必須条件として求めました。

人見氏「リソース有効活用の観点から、仮想サーバ上での稼動は必須条件でした」
人見氏
要件4. 「将来的に適用業務範囲を拡張できること」

今回、新システムにはまずは経費システムに紐づく領収書のみ格納しますが、将来的には適用範囲を広げて契約書など様々な業務書類を保管することも検討しています。特に契約書は更新・更改、いわゆる「巻き直し」の際に、以前の契約書を参照する必要が発生しますが、それを紙のファイルの山から手作業で探し出すのは非常な手間となります。これなどは、電子保管する方が業務効率化の推進につながります。今回、導入する証憑データ原本保管システムには将来的な適用業務範囲の広がりに伴う拡大利用に耐えうる十分な拡張性があることを求めました。

以上の要件をもとに各種製品を比較検討した結果、JFEシステムズの「DataDelivery」がトマト銀行の求める要件を最も満たしていました。

パッケージシステムにより短期間での稼動を実現し、更なる効果を狙う経費システムと連動した証憑データ原本保管システム「DataDelivery」はワークフローシステムやスキャナなどの各システムや機器との連携もスムーズに行われ、約4ヵ月間の構築期間を経て本稼動となりました。また並行してこの地方を管轄する国税局にも電子帳簿保存法の申請を行い、申請後に特に指摘事項も無く3ヶ月後にはみなし承認を受けることが出来ました。構築/申請のいずれのフェーズにおいても大きなトラブル無く、DataDeliveryを含む経費システムは予定通り稼働となり、現在、全営業店で活用されています。

当初は、電子帳簿保存法の適用で経費精算の日付管理や請求書の原本スキャンが厳密化されたことがなかなか浸透しなかったり、スキャン機器の操作に習熟していないことに起因する混乱が発生しましたが、それも最近はほぼなくなっておりますので、各営業店の担当者も新たな業務手順に関して習熟してきたのではないかと思います。

千田氏「将来的には電子保存の範囲を経費以外にも広げていきたいと考えています」
千田氏

今後見込まれる効果としては、営業店での紙帳票の保管スペースの削減などがあります。また先々の目標としては、請求書などのデータを完全に本店に集約して、営業店での税務監査対応が必要なくなる形に持っていくことなども考えています。

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