導入時の工夫と苦労

― 導入時に工夫されたこと、苦労されたことを教えてください。

当時、システム部は新ERPの販売領域の刷新を並行して担当しており、経理グループは月次決算や年度末の決算作業があり、時間を大幅に割くことが難しい状況でした。しかも確定事項が少なく、手探り状態で進めていく必要があったため、できるだけ手戻りが発生しないように以下の工夫をしました。

1.基本となる目的について合意形成

ブレが生じないようにするため、今回の目的は「電子帳簿保存法対応のため、税務調査や会計監査に最低限必要な帳票を、最低限必要な期間分、帳票保管システムへ移行する」ことであると最初に経理グループとシステム部とで合意しました。ただし、目的に沿った変更要望については柔軟に対応する方針を同時に定めています。

2.事前検証で手戻りを防止

今回のような大量の過去データの移行作業は初めてで、適切な進め方についての知見もなく、JFEシステムズにサポートしてもらいながら進めました。例えば、システム部と経理グループとは、当初は帳票名で選別の認識合わせをしていましたが、SAPからデータ抽出するときのレイアウトの認識までは一致していませんでした。ところが、レイアウトによって抽出されるデータの種類が異なっており、両者でレイアウトの認識の違いがあったため抽出データにずれが生じていました。JFEシステムズからサンプルデータの移行を勧められ、それを行って初めて認識の不一致に気づかされ、その調整を行いました。

山下氏「SAPデータの抽出条件の違いにより移行時にエラーがでましたが、JFEシステムズが迅速に解決してくれました」
山下 英晃 氏
3.対面での情報共有

オンライン会議だと雑談もなく事務的に進むため、ちょっとした不安などの発言が難しくなります。そのためできるだけ対面で話すことを心がけました。実際、比較残高試算表が必要だという話はオンラインの会議では出てこず、対面のときに判明しました。

導入効果
~年間の運用コストを大幅に削減

― 導入効果について教えてください。

効果を定量、定性に分けてお話しします。

【定量効果】
1.旧会計データの年間保管コストを半減

旧会計データの保管環境を維持するために、SAPの第三者保守費用が年間約400万円、サーバ保守費用が年間約200万円かかっていました。また同環境を維持していた場合、2026年夏頃にはサーバの保守期限が到来して、さらに約200万円の更新費用が発生することが見えていました。DataDeliveryへの移行によって、データ保管にかかる年間コストを半減することができました。

2.データ閲覧時間が1/10に

DataDeliveryは、画面上で見たい項目を選択して表示できるため、従来と比べてデータ閲覧時間が10分の1に短縮され、必要な情報を迅速に参照できるようになりました。

3.印刷コストの削減

当初は過去データを見るときは紙で印刷することを想定していました。しかし、DataDeliveryはUIが見やすく画面上の閲覧だけで十分なので、印刷コストが不要になりました。

【定性効果】
1.操作性がよい

DataDeliveryは、データが1カ所に集約されているので余計なフォルダを探しに行く必要もなく、また、操作も簡単なためシステムに不慣れなユーザーでも安心して使用することができています。

2.誤って削除・変更するリスクがない

機能が参照のみに制限されていることによって誰が見ても明白で、「うっかり削除」や「上書き」といった事故から守られていることが実感でき、安心して利用できています。

3.検索が高速

過去帳票の検索やダウンロードを高速で行うことができ、ストレスがありません。

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