導入に携わるベンダー担当者による
プロジェクト推進のポイント
公開日:
アルプス システム インテグレーション株式会社
赤澤 義仁 氏
構築では、如何に効率よくかつ、法要件に即した運用ができるかを考えました
第1回目は、アルプス システム インテグレーション株式会社(以下、ALSI)の赤澤様に伺いします。
――まず、赤澤様の現在の業務内容を教えて下さい。
現在、アルプスアルパイングループや一般企業向けに「intra-mart」を基盤としたアプリケーション開発、保全、運用のマネジメント業務を担当しています。
――電子帳簿システム「DataDelivery」を知ったきっかけは何でしたか?
アルプスアルパイン株式会社(以下、お客様)でのペーパーレスの取組みの一環として、電子帳簿保存法の適用をすべく情報収集を始めました。上司が以前、JFEシステムズが共催していた電子帳簿保存関連セミナーに参加したことがあり、その上司からのアドバイスという形でDataDeliveryを知り、問合せをしました。まずは、営業の方から製品紹介などを受けたのですが、日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)に所属されており、法律に関する知識も豊富でした。
――製品選定でのポイントを教えてください。
製品選定をする段階では、タイムスタンプの付与タイミングなどの各種要件や運用方法が決まっていませんでした。ただし、既に導入していたALSIの「ECOAS経費・旅費精算」システムと連携対応をしてもらえることが必須要件でした。さらに、価格、実績、バージョンアップなどの将来性も選定のポイントとしました。3製品を比較検討しましたが、DataDeliveryはタイムスタンプ付与のAPIをモジュールとして提供いただけること、これによりお客様への提案の幅がかなり広がりました。また、電子帳簿保存法対応の実績が豊富であることを評価し選定しました。
――プロジェクトがスタートして、システム構築する上で、工夫したことや苦労されたことはありますか?
今回は、「ECOAS経費・旅費精算」システムのバージョンアップに加えて、電子帳簿保存法の適用をするプロジェクトでした。バージョンアップは通常と同様ですが、電子帳簿保存法対応は初めてのことで知見がありませんでした。そこで、関連書籍を読みあさり、基本知識を身に付けました。
しかし、本プロジェクトを具体的に進める中で、タイムスタンプの付与タイミングなどの不明点がでてきました。
――そこで、どうされたのでしょうか?
既に要件定義後ではありましたが、法要件にあった内容で進めるうえでは外部のコンサルティングを受けた方が心強いと感じました。そこで、関連書籍の著者であり、国税局OBの袖山税理士の支援を受けられないかをお客様へ相談しました。すると、顧問税理士と袖山税理士がお知り合いだったこともあり、支援いただけることになりました。
――電子帳簿保存法対応でカスタマイズされた機能はありましたか?
プロジェクトでは、オーナーである経理部門やシステム部門の方を中心に進めていました。そこで、おおきく2つのカスタマイズを行いました。
1.現場のスキャナ登録
証憑は複合機を用いて、各担当者がスキャンする運用としましたが、如何に効率よくかつ、法要件に即した運用ができるかを考えました。そこで、申請に係る申請台紙にQRコードを付与しました。そのQRには、社員コードや帳票種類を紐づけ、ファイル名も自動的に生成するようにしました。また、複合機のメニューに「電子帳簿」専用ボタンを設け、スキャンデータはサーバー上の個人フォルダに自動格納することとしました。
2.経理部門の支払い審査
経理部門には原紙を配送させず、電子データのみで申請内容を確認するようにしました。そこで、各明細データと証憑画像を並べてディスプレイ表示し、効率的に突合できるような専用画面を設けました。明細(証憑)が複数行ある場合には、選択行を移動することで、自動的に証憑画像を遷移させるなどのカスタマイズを行いました。

――導入後のお客様の評価はいかがでしょうか。
お客様からは、経理部門での作業効率が良くなり承認リードタイムが短縮されたこと、会計監査に迅速に対応できるようになったことをご評価いただいています。
――プロジェクトを振り返っての感想はいかがですか?
プロジェクト中のお客様へのレビューでは法要件に関する内容も含まれており、随時、袖山税理士から的確なアドバイスをいただきました。法要件の充足はもちろんですが、税務署に提出する申請書や添付書類、事務規定の整備など、袖山税理士の支援なしでは準備ができなかったと思います。コンサルティングを受けて本当に良かったです。
――今後のご予定がございましたら、教えてください。
「ECOAS経費・旅費精算」システムは、アルプスアルパイングループでの実績を元に一般企業向けにも提供しております。今後、企業のペーパーレス化は進むと思いますので、これまで蓄積した業務やシステムノウハウを提案していきます。
――お話をいただきまして、ありがとうございました。
2017年7月よりアルプスアルパイン株式会社(旧アルプス電気)の電子帳簿保存法対応プロジェクトにプロジェクトマネジャーとして参画し2018年7月に本稼働を実現させた。
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